Ⅰ-2-4 大根の失敗からの学び②
なにか、見落としている気がする。
そう思った経験不足の私は、そもそも自然栽培とは何なのか、もう一度、調べなおしました。
そして、愛知県豊橋市の自然栽培農家、松澤政満さんの大根栽培に衝撃を受けたのです。
そうだ。自然栽培は、植物本来の力を引き出すために、多様な生物にも力を貸してもらう農法だった。なのに、私は、「害虫」のことばかり気にして、畑のなかにたくさんいる「益虫」に力を借りることを忘れてしまっていた。
それに、とても共感していたはずの、中川吉右衛門さんの「自然栽培は究極の平和主義」という言葉すら、忘れてしまっていた。だから、できる大根を、全部、自分たち人間のものだけにしようとしてしまった。
結果、全部を失うことになってしまった・・・。
こう、はっきりと、反省すべき点が浮き彫りになったのです!
それで思い出したのが、もみ殻を干すときに、学生のみなさんと作った、干し草による畝でした。
もみ殻は、どうしても雨で流れて行ってしまいます。
そこで、拙著をご覧になった劇作家・村元督さんからご紹介いただいた、岡山で糸状菌農法に取り組まれている方に、もみ殻をどうやって干せばいいか、教えていただきました。
草ぼうぼうのところを丸く刈り取って、その真ん中に干すといいですよ、とご助言頂きました。
ところが、研究室の圃場は、あいにく、昨年の秋に草むしりをした後だったので、ご助言を生かすにはどうすればいいか考えた結果、刈った草を円形状の畝にして、その中に麻布を敷き、もみ殻を干すことにしました。
そうしてできたもみ殻用の畝が、写真に見える、枯れ草が円状に積まれている部分です。
何を思い出したかというと、この、もみ殻用の上の草のなかに、益虫も益虫であるクモさんが、春先から本当にたくさん住んでいてビックリしたときのことだったんです。
土は、松澤さんの方法で耕さずにふかふかにし、その上に生えている草のなかに大根の種をまく。
その部分の草は、雑草用の電動バリカンで粉砕するけど、周りの草は、クモさんのような益虫が隠れていられるように、ある程度残しておく。
その周りには、草マルチをするのと同時に、ある程度、枯れた草を重ねておいておいて、クモさんが住処を作れるようにする。
こうすれば、一部の大根が食べられたとしても、生物多様性のなかで、多くの大根が生き残り、元気に育ってくれるのではないか・・・?
そう思ったのです!
でも、このように思えるようになったのは、19日(土)のこと。
きのう(10月20日)は山梨市のT農園の作業に行っていて、今日(10月21日)は体が疲労で動かなかったので、明日、今年の対策として、とりあえず、さっそく不織布を取りに行かなければ!
そのまえに、こうしてもいいかどうか、Yさんに相談しなければ!
そして、なによりも、もっともっと、松澤政満さんの農法を学ばなければ!
それにしても、本当に〈農〉は奥が深いなと改めて思う、まだまだ知識不足の私なのでした。
自然栽培、相当におもしろい!
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