Ⅰー1.理論編
東京農工大学では、4年に1度、カリキュラムの見直し・改訂を行っています。2018年度までの旧々カリキュラムまでは、大鹿村のことをご紹介くださった土屋俊幸先生(東京農工大学名誉教授)が、農学部向けの理系教養科目として「自然保護文化論」を開講されていました。
ところが、土屋先生の定年退職を見据えて「自然保護文化論」が廃止されることになりました。しかしながら、それにかわる科目は新設されることなく、2019年度からの旧カリキュラムがはじまりました。
〈教養科目の数が減ったままの状況は、学生の選択肢という観点からも、よくないのではないか?〉
〈そうであれば、自分が何とかしないといけないのではないか? でも、自分にできる理系教養科目って、何だろう?〉
〈そうだ! 農工大には農とは何かを原理的に考える科目はないから、そういう内容の科目を立ち上げてみたらいいのではないだろうか?〉
そう思い立った私は、2020年、コロナ禍の真っ最中に「〈農〉の哲学と倫理」という科目を申請し、ご承認いただき、2021~22年度はスタートアップ科目(正式には「農学部特別講義」といいます)として、現カリキュラムが始まった2023年度からは理系教養科目として開講しています。
個の科目の第1部は、まさに「人はなぜ〈農〉をするのか?」で、受講生のみなさんと一緒にいろいろと考えを巡らせています。ちなみに、「〈農〉の哲学と倫理」は、「自然保護文化論」とちがって、農学部だけでなく、工学部のみなさんも受講できるため、いろんな見地からの意見をいただけて、とても面白いです!
そして、この中で私が提起しているのが、〈農〉の哲学研究の4つの柱でも記した「ホモ・カルトゥス」という人間の捉え方です。
ここでは、「人はなぜ〈農〉をするのか?」という問いについて、哲学、環境思想をはじめ、さまざまな学問分野を通じて考察した、「ホモ・カルトゥス」をはじめとする理論的な内容について、記していきたいと思っています。
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