Ⅰ-3.糸状菌農法
2023年の夏。大病が見つかり、大腸の5分の2ほどを切除する手術を受けました。
入院した大学病院は、「特定機能病院」という位置づけで、ある程度歩けるようになったら患者を退院させる方針でした。なので、手術から2週間ほどしか経っていない時期に、まだ前かがみでないと歩けない状況でしたが、退院となりました。
病気を克服するには、NK(ナチュラルキラー)細胞を活性化する必要がある! そのためには笑いが必要だー! ということで、Youtubeのお笑い系動画をよく見ていました。
そのとき、ほんとうに偶然、「菌ちゃん先生」こと吉田俊道さんの講座のCMが流れたのです。
よく知らないけど、「菌ちゃん農法」っていったい何なの?
そう気になって仕方がなくなった私は、お笑い動画を観てNK細胞を活性化すべきなのに、完全にそれを忘れて、今度は「菌ちゃん農法」で出てきた動画を片っ端から見漁りました。そして「これだ!」と思ったのです。
菌ちゃん農法は、別名「糸状菌農法」と呼ばれています。簡単に説明すると、こういう感じです。
糸状菌とは、きのこにもなる菌のこと。その仲間によっては、空中の窒素を固定する力を持っています。そうした菌が畝のなかで増殖するようにしてあげる。そして、植物の根っこと共生する菌を通じて、糸状菌が蓄えた栄養をどんどん農作物に送れるようにしてあげる。結果、農作物がグングン育つ。そんな農法です。
※参考VTR
「【森の暮らし】菌ちゃん先生伝授!素晴らしくエコロジカルなビーガニック畑づくり!!」
(柴咲コウ レトロワch.)
でも、なぜ「これだ!」と思ったのか?
私は、調査や実習を通じて、いろいろな地域でたいへんお世話になっています。そうした地域のなかでも、いわゆる中山間地と呼ばれる農山村では、少子高齢化と人口減少、そして農業の担い手不足が顕著になってきています。
菌ちゃん農法は、いちど畝をつくり、そのなかで、糸状菌が増えて農作物の生産のサイクルがうまく回りだせば、基本的に水やりがいらず、草むしりなどの手間もあまりかからない農法です。こういう農法であれば、農業の担い手不足が顕著になっている農山村でも、農業生産が維持できるのではないか? そう思ったのです。
そして、秋には、「糸状菌農法プロジェクト」の実施要綱を書き上げ(PDF参照ください)、Ⅰ-2で記したように、FSセンター長の本林先生に圃場を貸してほしいとお願いしたのです。なので、カテゴリーの順番は逆になっていますが、実はこちらが先に始まった研究です。
※PDF資料
なので、実は、今年(2024年)からの農作物づくりに先立ち、糸状菌農法のための畝づくりを昨年末から開始していたのです!
ですが、いまのところ経過は芳しくありません・・・。要因は、だいたいわかっています。糸状菌農法は水はけのよい場所が絶対条件なのですが、大学の圃場は水はけがあまりよくないのです。だから、雨の多い時期は、どうしても畝のなかが水分過多になり、糸状菌の住みにくい環境になってしまいます。その結果、糸状菌が増える発酵ではなく、腐食が進んでしまっているようなのです・・・それを快方に向けるのに苦心しています汗
ですが、自分でやってみないと、中山間地で「やってみるといいかもですよ~!」とはいえません。糸状菌がたくさんの、ふかふかの団粒構造がたくさんある畝ができるまで、挑戦し続けます!
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